カテゴリー
食と健康

五大栄養素のビタミンと ミネラル

・私たちは毎日の食事から栄養素を摂取し、健康を維持しています。体を動かすためには、(たんぱく質・糖質・脂質)の三大栄養素がエネルギーとなりますが、この三大栄養素が十分に力を発揮するためには、ビタミンミネラルが欠かせません。

ビタミンは13種類あります。水に溶けやすい水溶性ビタミンと油に溶けやすい脂溶性ビタミンに分けられ、水溶性ビタミンにはビタミンB郡(B1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン)ビタミンCがあり、水に溶けやすく熱に弱いため水に浸して長時間置いたり加熱をしすぎるのは避ける必要があります。

脂溶性ビタミンにはビタミンA、D、E、Kがあり、油と一緒に摂ることで体内に吸収されやすくなる特徴をもっています。水溶性ビタミンは過剰に摂取してしまっても体外に排出されますが、脂溶性ビタミンは過剰に摂取すると体内に蓄積され、吐き気や頭痛などの副作用をおこすことがあります。通常の食事から摂取する分には問題ないのですが、サプリメントなどのビタミン剤を利用する場合は注意しましょう。

ミネラルとは、生体を構成する酸素、炭素、水素、窒素以外のものをいい、無機質とも呼びます。ミネラルは、体内でつくることができないため、食べ物などから摂取する必要(必須ミネラル)があります。

必須ミネラルは16種類あり、今後の研究によって必要不可欠であることがわかれば、その種類はさらに増える可能性があり、身近なミネラルですが、まだまだ未知の領域があります。

(必須ミネラル)

・ナトリウム、マグネシウム、リン、硫黄、塩素、カリウム、カルシウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、銅、亜鉛、セレン、モリブデン、ヨウ素

ミネラルは、血液の赤血球や骨などのように、体を構成するだけでなく、体の機能を維持したり調節したりするのにも重要な役割を担っています。たとえば、カリウムは血圧の上昇を抑えたり、亜鉛は味覚や嗅覚を正常にしたりするはたらきがあります。体内に占めるミネラルの割合は、約5%と決して多くはありませんが、生命活動を維持するうえでとても大事な栄養素といえます。 

体に必要だからといって、摂り過ぎても、不足しても体の機能に悪影響を及ぼしてしまうことがあります。

〈摂り過ぎに注意したいミネラル〉

ナトリウム・・・通常の食生活で不足することはなく、むしろ摂り過ぎると、高血圧や動脈硬化、胃がんなどのリスクが高まります。

リン・・・骨や歯を構成する重要なミネラル。通常の食生活で不足することはありませんが、多くの食べ物に含まれているほか、食品添加物として使用されることも多く、摂り過ぎると骨の代謝障害や、副甲状腺機能亢進症などのリスクが高まります。

〈不足しがちなミネラル〉

カルシウム・・・リンと同じく、骨や歯を構成する重要なミネラル。カルシウムが不足すると、骨密度が低下したり、骨粗鬆症のリスクが高くなったりします。

〈鉄〉・・・血液の赤血球を構成するミネラル。鉄が不足すると、貧血を起こし、頭痛や食欲不振などの症状をのもよおすこともあります。通常の食生活で摂り過ぎることはほとんどありませんが、過剰に摂取すると慢性疾患の発症を促すことがあるという研究結果が報告されています。

まずはふだんの食事から摂ることを心がけながら、必要に応じてサプリメントを摂るなど、「食事バランスガイド」のようなバランスのとれた食事をしていれば、ミネラルを十分に摂取する事が可能です。

カテゴリー
食と健康

三大栄養素の「脂肪」

・脂肪は1g当たり9kcalの熱量を生み出す効率のよいエネルギー源です。エネルギーとして消費しきれなかった分は、皮下脂肪や内臓脂肪として蓄えられ、体温の維持や臓器の保護にも役立てられます。さらに脂質には、体の機能を調節するホルモンや細胞を包む細胞膜の材料になったり、脂に溶けやすいビタミンの吸収を助けたりする役割もあります。

とり過ぎると肥満をはじめ、動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病を引き起こしかねません。まずは脂質を適度にとってしっかり満足感を得ること。そのうえで、間食を控えたり、運動を増やしたりしてバランスをとるほうが、ダイエットは成功しやすいです。

脂質といっても様々な種類があり、それぞれのタイプによってその性質は大きく異なります。脂質の性質は主成分である「脂肪酸」によって決まります。脂肪酸はそれぞれの構造の違いから、「飽和脂肪酸」「不飽和脂肪酸」に大別されます。

飽和脂肪酸は主に動物性の油脂に       不飽和脂肪酸は植物性油脂や魚の油に含まれています。

不飽和脂肪酸はさらに「一価不飽和脂肪酸」と「多価不飽和脂肪酸」に分けられ、多価不飽和脂肪酸は「オメガ3系」や「オメガ6系」などの系列に分かれます。

近年の健康油ブームで話題となっている「アマニ油」や「エゴマ油」には、オメガ3系の脂肪酸である「a-リノレン酸」が含まれています。また青魚に含まれる「EPA」や「DHA」もオメガ3系の脂肪酸です。オメガ3系脂肪酸には、血中の中性脂肪や悪玉コレステロールを低下させる働きがある事がわかっています。

a-リノレン酸をはじめ、体内で合成できない脂肪酸は「必須脂肪酸」として毎日の食事からとらなければなりません。一方、飽和脂肪酸は血中脂質を増やすため、とり過ぎを控える必要があります。脂質を適切にとるためには、このような脂肪酸による性質の違いを理解しておくとよいでしょう。

カテゴリー
食と健康

三大栄養素の「たんぱく質」

・人の体の約60%は水分でできていますが、15〜20%はたんぱく質でできています。これは水分を除いた重量の約半分をたんぱく質が占めることになります。

このたんぱく質によって筋肉や臓器、肌、髪、爪、体内のホルモンや酵素、免疫物質などを作り、栄養素の運搬を行い、そしてたんぱく質は微量ではありますが、エネルギーが消費される際に、アミノ酸としてその一部にもなります。

たんぱく質が不足すると、筋肉が弱くなったり、肌や髪の新陳代謝が衰えたり、体の各器官の正常な機能が失われたりと、全身に悪影響が及びます。

たんぱく質は体内に貯蔵しておくことができません。そのため、毎日の食事から意図的にとる必要があります。一方で、たんぱく質のとりすぎもまた体に害を及ぼします。たんぱく質の分解は肝臓で行われるため、とりすぎる事で肝臓に負担がかかります。さらに、たんぱく質が分解されるときに発生する毒素を排泄するため、腎臓にも大きな負担がかかるのです。また、肉や卵、乳製品などの動物性たんぱく質のとりすぎは、同時に脂質のとりすぎにもなり、肥満や生活習慣病の原因となります。とりすぎず、不足しすぎずの適量を守ることが、たんぱく質摂取のポイントです。

(アミノ酸とは)

人の体をつくる約10万種類ものたんぱく質は、たった20種類の「アミノ酸」の組み合わせによって構成されています。食事でとったたんぱく質はまず体内でアミノ酸へと分解され、体に必要なたんぱく質へと再合成されて利用される仕組みになっています。

20種類のアミノ酸のうち、体内で十分に合成できない9種類のアミノ酸を「必須アミノ酸」、それ以外の11種類を「非必須アミノ酸」とよびます。どちらも私たちの体づくりに欠かせないアミノ酸であることに変わりはありません。しかし、必須アミノ酸は体内で生み出せない分、意識して摂取することが大切です。

そこで、参考になるのが、たんぱく質を含む食品の「アミノ酸スコア」です。これは、食品に含まれるたんぱくの質の¨質¨を評価する指標。満点の100に近いほど、9種類の必須アミノ酸がバランスよく含まれていることを意味します。必須アミノ酸の割合が適切であるほど、利用効率のよい良質なたんぱく質であるといえ、より健康な体づくりに役立ちます。

アミノ酸スコアの高い食品として、肉、魚、卵、牛乳で、いずれも100。植物性たんぱく質では大豆がハイスコアです。これらをとり入れることで、必須アミノ酸をもれなくカバーできるバランスのよい献立になります。

カテゴリー
食と健康

三大栄養素の「炭水化物」(糖質・食物繊維)

「炭水化物」は、たんぱく質脂質と並ぶ三大栄養素のひとつです。

体内で消化したのち吸収され、エネルギー源として利用される「糖質」と、消化、吸収されず腸にまわって働き、体から排出され、エネルギーとしては利用しにくい「食物繊維」からなり、これらを合わせて炭水化物と呼びます。

ご飯、パン、麺類など、主食になるものに多く含まれます。また芋類やお酒、砂糖や小麦粉を使ったお菓子やスイーツ、野菜や果物、調味料や加工品などにも含まれています。

炭水化物は人間が生きていくために必要とされる3大栄養素の 1つで、体や脳を動かすための重要なエネルギー源になります。不足すると、頭がボーっとする、疲れやすい、手の震えなど様々な不調が現れやすくなります。

炭水化物を食べると、血液中の糖分(血糖値)が上がります。この糖が、膵臓から分泌されるインスリンによって筋肉、脳、臓器などに運ばれ、エネルギーとして使われます。ところが炭水化物をとり過ぎて血糖値が急激に上がると、糖は筋肉などの組織に運びきれずに余ってしまいます。余った糖は、次のエネルギー不足に備えて脂肪として蓄えられます。これが炭水化物によって太るメカニズムです。

(糖質の種類)・・・炭水化物に含まれる糖質にはいろいろな種類があり、食品によってどんな糖質が含まれているのかが違ってきます。 糖質という括りのなかに糖類があると考えると分かりやすく、糖類の中でもブドウ糖は脳にとって唯一のエネルギー源であり、私たちの体に欠かす事ができません。

単糖類(ブドウ糖、果糖)

ご飯、パン、麺類、果物、はちみつなどに多く含まれ、ブドウ糖は脳の唯一のエネルギー源です。糖の最小単位で、体に吸収されやすく、エネルギーに変わりやすい反面、血糖値を上げてしまう恐れもあります。

二糖(少糖)類(砂糖、ショ糖、乳糖など)

砂糖やそれを使った甘いお菓子、飲み物などに多く含まれます。単糖が2〜9個結びついた糖。料理に使う砂糖がこれにあたる。

多糖類(でんぷん、グリコーゲン)       

ご飯、パン、麺類、芋類などに多く含まれ、グリコーゲンは動物でんぷんとも呼ばれ、貝類などに多く含まれます。単糖が10個以上結びついた糖。甘味がなく、水に溶けない。

(食物繊維の働き)・・・腸で余分な物質を吸着して体外へ排泄すること。「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」に分けられます。

水溶性食物繊維(りんご、わかめ、納豆など)

水分を吸収して膨らみ、体の中で糖質と脂質の吸収を妨げて排泄を促してくれます。

不溶性食物繊維(ココア、きのこ、さつま芋、ごぼうなど)

水に溶けず腸を刺激させて動きを促進させ、便の量を増やし排泄を促します。腸内の環境を整えてくれる働きもあります。

人間は1日に摂取するエネルギー量のうち、50~60%を炭水化物からとる事が望ましいと言われています。食物繊維の摂取量は男性20g以上、女性18g以上が1日の目標です。健康的な食生活の目安にしましょう。