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五大栄養素のビタミンと ミネラル

・私たちは毎日の食事から栄養素を摂取し、健康を維持しています。体を動かすためには、(たんぱく質・糖質・脂質)の三大栄養素がエネルギーとなりますが、この三大栄養素が十分に力を発揮するためには、ビタミンミネラルが欠かせません。

ビタミンは13種類あります。水に溶けやすい水溶性ビタミンと油に溶けやすい脂溶性ビタミンに分けられ、水溶性ビタミンにはビタミンB郡(B1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン)ビタミンCがあり、水に溶けやすく熱に弱いため水に浸して長時間置いたり加熱をしすぎるのは避ける必要があります。

脂溶性ビタミンにはビタミンA、D、E、Kがあり、油と一緒に摂ることで体内に吸収されやすくなる特徴をもっています。水溶性ビタミンは過剰に摂取してしまっても体外に排出されますが、脂溶性ビタミンは過剰に摂取すると体内に蓄積され、吐き気や頭痛などの副作用をおこすことがあります。通常の食事から摂取する分には問題ないのですが、サプリメントなどのビタミン剤を利用する場合は注意しましょう。

ミネラルとは、生体を構成する酸素、炭素、水素、窒素以外のものをいい、無機質とも呼びます。ミネラルは、体内でつくることができないため、食べ物などから摂取する必要(必須ミネラル)があります。

必須ミネラルは16種類あり、今後の研究によって必要不可欠であることがわかれば、その種類はさらに増える可能性があり、身近なミネラルですが、まだまだ未知の領域があります。

(必須ミネラル)

・ナトリウム、マグネシウム、リン、硫黄、塩素、カリウム、カルシウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、銅、亜鉛、セレン、モリブデン、ヨウ素

ミネラルは、血液の赤血球や骨などのように、体を構成するだけでなく、体の機能を維持したり調節したりするのにも重要な役割を担っています。たとえば、カリウムは血圧の上昇を抑えたり、亜鉛は味覚や嗅覚を正常にしたりするはたらきがあります。体内に占めるミネラルの割合は、約5%と決して多くはありませんが、生命活動を維持するうえでとても大事な栄養素といえます。 

体に必要だからといって、摂り過ぎても、不足しても体の機能に悪影響を及ぼしてしまうことがあります。

〈摂り過ぎに注意したいミネラル〉

ナトリウム・・・通常の食生活で不足することはなく、むしろ摂り過ぎると、高血圧や動脈硬化、胃がんなどのリスクが高まります。

リン・・・骨や歯を構成する重要なミネラル。通常の食生活で不足することはありませんが、多くの食べ物に含まれているほか、食品添加物として使用されることも多く、摂り過ぎると骨の代謝障害や、副甲状腺機能亢進症などのリスクが高まります。

〈不足しがちなミネラル〉

カルシウム・・・リンと同じく、骨や歯を構成する重要なミネラル。カルシウムが不足すると、骨密度が低下したり、骨粗鬆症のリスクが高くなったりします。

〈鉄〉・・・血液の赤血球を構成するミネラル。鉄が不足すると、貧血を起こし、頭痛や食欲不振などの症状をのもよおすこともあります。通常の食生活で摂り過ぎることはほとんどありませんが、過剰に摂取すると慢性疾患の発症を促すことがあるという研究結果が報告されています。

まずはふだんの食事から摂ることを心がけながら、必要に応じてサプリメントを摂るなど、「食事バランスガイド」のようなバランスのとれた食事をしていれば、ミネラルを十分に摂取する事が可能です。

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三大栄養素の「脂肪」

・脂肪は1g当たり9kcalの熱量を生み出す効率のよいエネルギー源です。エネルギーとして消費しきれなかった分は、皮下脂肪や内臓脂肪として蓄えられ、体温の維持や臓器の保護にも役立てられます。さらに脂質には、体の機能を調節するホルモンや細胞を包む細胞膜の材料になったり、脂に溶けやすいビタミンの吸収を助けたりする役割もあります。

とり過ぎると肥満をはじめ、動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病を引き起こしかねません。まずは脂質を適度にとってしっかり満足感を得ること。そのうえで、間食を控えたり、運動を増やしたりしてバランスをとるほうが、ダイエットは成功しやすいです。

脂質といっても様々な種類があり、それぞれのタイプによってその性質は大きく異なります。脂質の性質は主成分である「脂肪酸」によって決まります。脂肪酸はそれぞれの構造の違いから、「飽和脂肪酸」「不飽和脂肪酸」に大別されます。

飽和脂肪酸は主に動物性の油脂に       不飽和脂肪酸は植物性油脂や魚の油に含まれています。

不飽和脂肪酸はさらに「一価不飽和脂肪酸」と「多価不飽和脂肪酸」に分けられ、多価不飽和脂肪酸は「オメガ3系」や「オメガ6系」などの系列に分かれます。

近年の健康油ブームで話題となっている「アマニ油」や「エゴマ油」には、オメガ3系の脂肪酸である「a-リノレン酸」が含まれています。また青魚に含まれる「EPA」や「DHA」もオメガ3系の脂肪酸です。オメガ3系脂肪酸には、血中の中性脂肪や悪玉コレステロールを低下させる働きがある事がわかっています。

a-リノレン酸をはじめ、体内で合成できない脂肪酸は「必須脂肪酸」として毎日の食事からとらなければなりません。一方、飽和脂肪酸は血中脂質を増やすため、とり過ぎを控える必要があります。脂質を適切にとるためには、このような脂肪酸による性質の違いを理解しておくとよいでしょう。

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三大栄養素の「たんぱく質」

・人の体の約60%は水分でできていますが、15〜20%はたんぱく質でできています。これは水分を除いた重量の約半分をたんぱく質が占めることになります。

このたんぱく質によって筋肉や臓器、肌、髪、爪、体内のホルモンや酵素、免疫物質などを作り、栄養素の運搬を行い、そしてたんぱく質は微量ではありますが、エネルギーが消費される際に、アミノ酸としてその一部にもなります。

たんぱく質が不足すると、筋肉が弱くなったり、肌や髪の新陳代謝が衰えたり、体の各器官の正常な機能が失われたりと、全身に悪影響が及びます。

たんぱく質は体内に貯蔵しておくことができません。そのため、毎日の食事から意図的にとる必要があります。一方で、たんぱく質のとりすぎもまた体に害を及ぼします。たんぱく質の分解は肝臓で行われるため、とりすぎる事で肝臓に負担がかかります。さらに、たんぱく質が分解されるときに発生する毒素を排泄するため、腎臓にも大きな負担がかかるのです。また、肉や卵、乳製品などの動物性たんぱく質のとりすぎは、同時に脂質のとりすぎにもなり、肥満や生活習慣病の原因となります。とりすぎず、不足しすぎずの適量を守ることが、たんぱく質摂取のポイントです。

(アミノ酸とは)

人の体をつくる約10万種類ものたんぱく質は、たった20種類の「アミノ酸」の組み合わせによって構成されています。食事でとったたんぱく質はまず体内でアミノ酸へと分解され、体に必要なたんぱく質へと再合成されて利用される仕組みになっています。

20種類のアミノ酸のうち、体内で十分に合成できない9種類のアミノ酸を「必須アミノ酸」、それ以外の11種類を「非必須アミノ酸」とよびます。どちらも私たちの体づくりに欠かせないアミノ酸であることに変わりはありません。しかし、必須アミノ酸は体内で生み出せない分、意識して摂取することが大切です。

そこで、参考になるのが、たんぱく質を含む食品の「アミノ酸スコア」です。これは、食品に含まれるたんぱくの質の¨質¨を評価する指標。満点の100に近いほど、9種類の必須アミノ酸がバランスよく含まれていることを意味します。必須アミノ酸の割合が適切であるほど、利用効率のよい良質なたんぱく質であるといえ、より健康な体づくりに役立ちます。

アミノ酸スコアの高い食品として、肉、魚、卵、牛乳で、いずれも100。植物性たんぱく質では大豆がハイスコアです。これらをとり入れることで、必須アミノ酸をもれなくカバーできるバランスのよい献立になります。

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三大栄養素の「炭水化物」(糖質・食物繊維)

「炭水化物」は、たんぱく質脂質と並ぶ三大栄養素のひとつです。

体内で消化したのち吸収され、エネルギー源として利用される「糖質」と、消化、吸収されず腸にまわって働き、体から排出され、エネルギーとしては利用しにくい「食物繊維」からなり、これらを合わせて炭水化物と呼びます。

ご飯、パン、麺類など、主食になるものに多く含まれます。また芋類やお酒、砂糖や小麦粉を使ったお菓子やスイーツ、野菜や果物、調味料や加工品などにも含まれています。

炭水化物は人間が生きていくために必要とされる3大栄養素の 1つで、体や脳を動かすための重要なエネルギー源になります。不足すると、頭がボーっとする、疲れやすい、手の震えなど様々な不調が現れやすくなります。

炭水化物を食べると、血液中の糖分(血糖値)が上がります。この糖が、膵臓から分泌されるインスリンによって筋肉、脳、臓器などに運ばれ、エネルギーとして使われます。ところが炭水化物をとり過ぎて血糖値が急激に上がると、糖は筋肉などの組織に運びきれずに余ってしまいます。余った糖は、次のエネルギー不足に備えて脂肪として蓄えられます。これが炭水化物によって太るメカニズムです。

(糖質の種類)・・・炭水化物に含まれる糖質にはいろいろな種類があり、食品によってどんな糖質が含まれているのかが違ってきます。 糖質という括りのなかに糖類があると考えると分かりやすく、糖類の中でもブドウ糖は脳にとって唯一のエネルギー源であり、私たちの体に欠かす事ができません。

単糖類(ブドウ糖、果糖)

ご飯、パン、麺類、果物、はちみつなどに多く含まれ、ブドウ糖は脳の唯一のエネルギー源です。糖の最小単位で、体に吸収されやすく、エネルギーに変わりやすい反面、血糖値を上げてしまう恐れもあります。

二糖(少糖)類(砂糖、ショ糖、乳糖など)

砂糖やそれを使った甘いお菓子、飲み物などに多く含まれます。単糖が2〜9個結びついた糖。料理に使う砂糖がこれにあたる。

多糖類(でんぷん、グリコーゲン)       

ご飯、パン、麺類、芋類などに多く含まれ、グリコーゲンは動物でんぷんとも呼ばれ、貝類などに多く含まれます。単糖が10個以上結びついた糖。甘味がなく、水に溶けない。

(食物繊維の働き)・・・腸で余分な物質を吸着して体外へ排泄すること。「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」に分けられます。

水溶性食物繊維(りんご、わかめ、納豆など)

水分を吸収して膨らみ、体の中で糖質と脂質の吸収を妨げて排泄を促してくれます。

不溶性食物繊維(ココア、きのこ、さつま芋、ごぼうなど)

水に溶けず腸を刺激させて動きを促進させ、便の量を増やし排泄を促します。腸内の環境を整えてくれる働きもあります。

人間は1日に摂取するエネルギー量のうち、50~60%を炭水化物からとる事が望ましいと言われています。食物繊維の摂取量は男性20g以上、女性18g以上が1日の目標です。健康的な食生活の目安にしましょう。

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高カカオ成分チョコレート

チョコレートの原料であるカカオ豆は、紀元前2000年の昔から中央アメリカやメキシコ南部で栽培されていた作物。カカオの特徴は、カカオポリフェノールカテキンなどのポリフェノールがたっぷり含まれている点です。これらのポリフェノールには高い抗酸化・抗炎症作用があり、動脈硬化やがんを防いでくれます。

苦味成分であるテオブロミンは、毛細血管の血流をよくして冷えやむくみなどを改善します。チョコレートにはビタミンEやナイアシン、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、リンなどのミネラル類や食物繊維も豊富に含まれ、体の調子を整えてくれます。

こうしたアンチエイジング効果は、糖分や乳製品がたっぷり含まれたチョコレートではなく、カカオ分が高いチョコレートでこそ得られるもの。買う時にはカカオ70%以上を1つの目安に選ぶとよいでしょう。

(カカオ豆には活性酸素を抑えるポリフェノールがたっぷり)

チョコレートに含まれるカカオ・ポリフェノールにはさまざまな効果があります。代表的なのがLDLコレステロールが活性酸素によって悪玉化して動脈硬化を引き起こすのを防ぐ力です。また、血管を拡げる作用もあるので、高血圧や冷え性、血栓の予防にもなります。チョコレートやココアの摂取量の多い人ほど心臓病が少ないという発表がされています。摂取量としては、日常的にチョコレートを20gほど摂るだけで心臓病のリスクが減るというわけです。

(チョコレートは肥満、虫歯、ニキビの敵ではない!)

「チョコレートは肥満の大敵では?」と心配されますが、カカオ豆に含まれるカカオバターの脂肪分は吸収率が低く、体脂肪になりにくい事が実証されています。しかもチョコレートは少量でも高い満足度が得られるため、脂肪分の多いケーキなどを食べるより、むしろ肥満の抑制になると言えます。必要以上に食べるのでない限り、チョコレートに含まれている抗酸化物質を摂るほうが身体の老化防止によいという説もあります。

また、カカオにはリグニンという食物繊維が多量に含まれるため、肥満や大腸がんの原因になる便秘予防にも効果があります。さらに、カカオ成分には抗菌作用もあるため、ピロリ菌や大腸菌の抑制効果も認められています。菌の抑制効果という点では、カカオ成分には虫歯の原因菌となるソブリナス菌を抑える働きがあることも歯科医師の研究で分かりました。チョコレートは虫歯になるどころか、むしろ抑える効果もあったのです。

「チョコレートを食べると、ニキビができる」と敬遠する女性もいますが、チョコレートとにきびに科学的な因果関係は認められないことが判明しています。また、カカオ・ポリフェノールにはアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患の炎症を抑える作用があることも分かっています。

(チョコレートとココアの違い)

チョコレートもココアも全て同じカカオ豆からつくられますが、それぞれ製法が異なります。ちなみに、ココアを発明したのは、オランダのクンラート・バンホーテン。固形チョコを初めて製造したのはイギリスのフライ社。いずれも19世紀のことで、紀元前から続くチョコレートをめぐる歴史の中では、まだ日が浅いといえます。

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免疫細胞を活性化させる きのこ類

きのこ類にはビタミンB群がたっぷり含まれています。体内での糖化を防いで脂質を燃やし、疲労を回復させる効果もあります。カルシウムの吸収や沈着を助けて骨や髪、爪を強くしてくれる ビタミンDも多く含まれています。注目なのがβーグルカン。 この成分は免疫細胞の1つ「マクロファージ」の効果を高めて、がんなどの生活習慣病を強力に防いでくれるのです。

これらの成分はきのこ類に共通して含まれています。きのこ全般がアンチエイジングフードといえます。ビタミンDが豊富なしめじや舞茸、ビタミンB群がとくに多いえのきだけやなめこ、食物繊維が豊富なエリンギ、ミネラルが多いきくらげなど、種類ごとにそれぞれの強みもあります。

きのこ類は「食物繊維」が豊富な食材で、お腹の調子を整えてくれるので、腸内環境の改善に効果的。食べることで肥満や便秘の予防につながります。また毎日の食事で不足しがちなビタミンやミネラルが含まれており、特にダイエットや美肌作りに欠かせないビタミンB群が豊富。さらに低カロリーでヘルシーなのでたくさん食べても太りにくく、いい事づくめ。

この他、免疫機能を高める効果があり、抗ガン剤などの薬品に用いられることがある「βーグルカン」という成分が含まれているきのこや、「ビタミンD」という腸に取り込まれたカルシウムを骨に定着させる働きがある栄養素が豊富に含まれているものもあります。ビタミンDはカルシウムと一緒に食べることで骨粗しょう症の予防にも効果的なので、育ち盛りのお子様やお年寄りの方にもおすすめです。

(きのこの種類と種な効果)

・シイタケ・・・便秘解消、美肌効果

・エリンギ・・・血圧を下げる、脂肪の排出

・しめじ・・・アンチエイジング

・えのき・・・免疫力、脂質代謝の改善

・マイタケ・・・血圧を下げる、糖尿病予防

・キクラゲ・・・血糖値を下げる、肥満予防

・マッシュルーム・・・コレステロール除去、抗酸化作用

・なめこ・・・胃壁の保護、肝臓や腎臓機能アップ

きのこは野菜や果物と同じ生鮮食品。時間が経つほど鮮度や栄養が落ちていくので、買ってきたらすぐに食べるのがおすすめです。それでも使い切れずに残ってしまった場合におすすめなのが「冷凍」して保存すること。きのこは洗わずに生のまま使いやすい大きさにカットし、保存袋に入れて空気を抜き、なるべく平らにした状態で冷凍庫で保存します。冷凍することできのこの細胞壁が壊れて栄養成分が出てくるので、旨味が増しておいしく食べることができます。料理に使う時には解凍せずに、凍ったまま調理するのがポイントです。

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日本が誇る”不老の薬” わかめと昆布

「玉藻」として万葉集にも数多く登場する海藻。日本では縄文時代から食べられ、秦の始皇帝が「東の国に不老長寿の薬あり」と探しに行かせたのが昆布だったという言い伝えがあります。

現在も日本の食卓に欠かせない海藻がわかめと昆布ですが、どちらもミネラルやビタミンなどの栄養素がたっぷり含まれています。体の酸化や糖化を防いで新陳代謝を活発にし、骨も丈夫にしてくれます。どちらもぬめりがありますが、ぬめりの正体は食物繊維。なかでも多いのがアルギン酸という水溶性の食物繊維です。アルギン酸には食べ物の塩分を排出して血圧の上昇を抑える働きや、血液をサラサラにしてコレステロールを減らす働き、腸内細菌のバランスを整える働きもあります。水に溶けずに便のかさを増やす不溶性の食物繊維もたっぷり含まれているため、ダイエット効果もあります。

ミネラルと水溶性食物繊維に期待

海藻類に期待できる栄養成分は、ミネラルと水溶性食物繊維。海藻にはミネラルが豊富。

昆布、わかめ、ひじき、海苔などは・・・鉄

昆布、わかめ、ひじき、海苔、あおさ・・・カルシウム

を多く含みます。

鉄とカルシウムの吸収をよくするには、たんぱく質とビタミンCが必要。また、水溶性食物繊維には、血糖値や血圧の上昇を抑え、血中コレステロール値を下げる働きがあります。

なかでも注目したいのは昆布、もずく、メカブなどのぬめりの元となる水溶性食物繊維のフコイダン。ヒトではまだ実証されていませんが、マウスを使った研究ではメカブ由来のフコイダンが免疫細胞を活性化し、がん細胞の増殖を抑えたことが報告されています。

味噌汁の塩分が気になる、そんな時は具材に加えて

血管を若々しく保つために、その負担を増やす高血圧は避けたいところ。塩分(ナトリウム)の過剰摂取で血圧は上がりやすく、和食はヘルシーだが塩分が多くなりがち。なかでも味噌汁は1杯1.5~2.0程度の塩分を含む。しかし海藻を具材にすれば味噌汁からの塩分摂取は極端に気にしなくていいと思います。

わかめ、削り昆布、あおさ、海苔など、味噌汁と相性の良い海藻類にはカリウムが豊富。カリウムには過剰なナトリウムの尿中排泄を促す作用があるので、余分な塩分が体外に排出されやすいのです。加えて海藻に含まれるアルギン酸などの水溶性食物繊維も、塩分の排出にひと役買うという事です。

おいしくても、摂り過ぎはNG

昆布、わかめ、ひじき、もずくに多いミネラルにヨウ素がある。ヨウ素は甲状腺に取り込まれて甲状腺ホルモンの原料となり、身体全体の新陳代謝の促進に関わっています。けれども、ヨウ素を摂り過ぎると、逆に甲状腺からのホルモンの分泌が悪くなることがあります。ただし、健康な人が日常食べるくらいの量やたまに多く食べる分には、ほぼ心配はいらないと思います。ヨウ素の過剰摂取が気になるなら、乾物を戻す際にたっぷりの水に20分くらい漬け、よく洗ってヨウ素を落とすようにするといいでしょう。水に20分間漬けると、ヨウ素は昆布で90%以上、わかめとひじきでは約30%溶出することが報告されています。

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豊富な栄養素を含む 最強野菜ブロッコリー

地中海沿岸が原産で、健康大国イタリアで2000年以上前から食べられてきたといわれるブロッコリー。粘膜や肌を守るビタミンAやビタミンC、a-リポ酸などの抗酸化成分を多く含む最強野菜なのです。

注目なのが、野菜のなかでもブロッコリーにとくに多く含まれているスルフォラファンという成分。高い抗糖化作用や解毒作用などに加えて、老化の元凶を防いでくれます。スルフォラファンは、肝臓の健康を守る働きを持つため、結果的に肝臓で行われる糖の代謝をスムーズにしてくれます。また、ほかの成分では数時間から1日程度で消えてしまう抗酸化作用が3日間続くのも大きな特徴です。むくみや便秘を解消してくれるカリウムや食物繊維、鉄分も豊富に含み、美容と健康を助けてくれる栄養素が数えきれないほど含まれています。

ブロッコリーは、キャベツの仲間である緑黄色野菜。つぼみの部分を食べるイメージがありますが、茎も食べられます。しかも、茎の方が栄養豊富なのです。旬は冬で、11月から3月頃。最近はブロッコリーの新芽である「ブロッコリースプラウト」の人気も高まってきています。

ブロッコリーの栄養素の中でも、特に豊富に含まれているものは、ビタミンC。実はレモンよりも多いのです。ビタミンCは水溶性なので、ゆでると減少してしまいますが、それでもレモン約3個分のビタミンCを含みます。また、ブロッコリーは植物性のたんぱく質を豊富に含みます。たんぱく質は、筋肉や骨を作るもととなる栄養素で、野菜の中では豊富でそのうえ低カロリーなので、積極的に摂取したいところです。

(効果・効能)

①免疫力をアップして風邪予防に!

ブロッコリーに豊富に含まれるビタミンCは、「風邪予防にはビタミンC」といわれることもある栄養素。ビタミンCは人の体内では合成できない栄養素なので、外から取り入れる必要があります。ビタミンCは免疫力をアップさせ、風邪を予防するので、日ごろから摂取する事が大切です。

②妊婦さんに必須の栄養素!葉酸

赤血球を作る栄養素である葉酸は、「造血のビタミン」と呼ばれています。葉酸は、妊婦さんにとってはとても重要なビタミン。妊娠初期に適量を摂取することで、退治の先天性の異常である神経管閉鎖障害のリスクを低下させます。

③がん予防に!スルフォラファン

ブロッコリーに含まれるスルフォラファンには、抗酸化作用と解毒作用があり、がん予防に効果的です。スルフォラファンは、ブロッコリーの新芽であるブロッコリースプラウトの方が含有量が多いので、スルフォラファンをより摂取したい場合はブロッコリースプラウトの方がおすすめです。

④美肌・ダイエットにも効果的!むくみ解消や脂肪燃焼!

ビタミンCはコラーゲンの生成を促すといわれているため、ビタミンCが豊富に含まれるブロッコリーは、美肌に効果があります。また、カリウムにはむくみを解消する働きがあります。ミネラルの一種であるクロムは、脂肪を燃焼する役割があります。低カロリーなうえ、美肌も助けてくれるため、女性のダイエットには欠かせません。

⑤アンチエイジングに効果的な栄養素がたくさん!

スルフォラファンの他に、ビタミンC、ビタミンEにも抗酸化作用があり、老化を防ぎます。ブロッコリーにはアンチエイジングに効果的な栄養素がたくさん含まれています。

⑥整腸作用◎食物繊維が豊富!

ブロッコリーには、野菜の中でも豊富な食物繊維が含まれています。腸のぜん動運動を促進し、便秘の解消に効果的ですが、ブロッコリーに含まれる食物繊維は水に溶けない不溶性の食物繊維なので、ひどい便秘の方はかえって悪化させてしまうことがあります。水溶性の食物繊維(わかめ、オクラなど)もしっかり摂取しましょう。

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貧血にはホウレン草

昔から「貧血にはホウレン草」と言われるほど、鉄分が豊富なホウレン草。それ以外にも多くの栄養素を含み、健康や老化予防には欠かせない食材です。

(鉄分)

ホウレン草の代表的な栄養素と言えば鉄分。ホウレン草に含まれる鉄分は牛レバーと同じくらい含まれています。鉄分は赤血球を作る材料になり貧血予防に役立ちます。

(βカロテン)

抗酸化作用のβカロテン。活性酸素の働きを抑制する事でがん予防などの効能があります。100gほどのホウレン草で1日に必要な量の40%を摂取する事ができます。

(ビタミンC)

ビタミンCは免疫力を高めて風邪の予防に役立ちます。またコラーゲンの生成を促進させ、しみなどを防ぐ美肌効果もあります。ビタミンCはビタミンEと同時に食べることでより効果が高まります。ビタミンEが多く含まれた「ごま」と一緒に料理する、ホウレン草のごま和えは昔の人の知恵が活きています。

(カリウム)

カリウムは摂り過ぎた塩分を体外に出す栄養素の代表です。血圧を下げる効果があるため、むくみの解消にも有効です。

(マンガン)

捨ててしまう人も多い、ホウレン草の根本にあるピンク色の部分。骨の形成を助ける栄養素マンガンが含まれています。マンガンが不足すると骨粗しょう症、生殖不能症、肌荒れなどを引き起こします。不足しがちな栄養素なので、是非捨てずに使用して下さい。

それ以外にも、ホウレン草にはビタミンB12や、葉酸、マグネシウム、亜鉛等のミネラルも豊富に含まれています。

ホウレン草の旬は、11月から2月にかけての寒い時期です。この寒い時期のホウレン草は、夏場に出回るホウレン草と比べて、よりたくさんの栄養を含んでいます。冬場のホウレン草が甘いと言われるのは、この栄養の量の違いからです。例えば、冬のホウレン草に含まれるビタミンの量は、夏のホウレン草の約3倍近くもあります。夏のホウレン草は成長が早いこともあり、栄養を蓄える前に収穫してしまうこと。そして、寒さに耐えるために植物自身がより多くの栄養価を蓄えるためでそ。栄養を蓄えると、気温が氷点下になっても凍らなくて済みます。冬の野菜が味が濃いと言われるのもそのためです。

なお、ビタミンA・Eが豊富なモロヘイヤ、春菊、小松菜や、ビタミンCが豊富な菜の花、ニラなど、青菜はどれも抗酸化作用が高く、食物繊維が豊富でダイエット効果もあるので、毎日の食事で必ずとるのがおすすめです。

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血液サラサラ食材の 長ネギ&玉ねぎ

強力な殺菌作用を持ち、抗生物質がない時代には薬として使われたこともあるという長ネギ・玉ねぎ。この殺菌作用の源は、にんにくにも含まれているアリシンです。長ネギ・玉ねぎにもにんにくと同じような抗酸化作用や血液サラサラ効果、疲労回復効果などがあります。

またアリシンはビタミンB1が体内で持続的に働くのを助けてくれます。ビタミンB1を多く含む豚肉やきな粉、大豆食品などを一緒にとる事で老化を防ぐ効果があり、アンチエイジング面でも優れた食材です。

長ネギの葉の部分には、免疫力をアップして風邪などを防ぐビタミンC、目や皮膚、粘膜などの健康を保ってくれるβーカロテン(ビタミンA)が豊富です。ビタミンの中でもトップクラスの抗酸化作用を持つ「ビタミンACE」のうち2つが含まれ、体がサビつくのを強力に防いでくれます。

長ネギや玉ねぎは、ニンニク、ニラ、らっきょうなどと同じネギ属に分類されています。ネギ属の野菜は食用だけでなく生薬として使われているのも多く、長ネギや玉ねぎも昔から薬用野菜として重宝されてきました。その薬効は実に幅広く、がん予防効果もその中の一つに含まれています。

(硫化アリル)解毒と抗酸化でがんを防ぐ

玉ねぎを切ると涙が出るのは、アリルプロピオンという催涙物質が原因です。このほかにも数種類の刺激物が混在しています。これらの刺激物質は揮発性で、玉ねぎを切った時に酵素の働きで発生します。

この刺激物質の一つが、ニンニクやニラにも含まれるイオウ化合物の硫化アリルです。硫黄化合物は単に匂いや催涙の原因になるだけでなく、発がん抑制物質としても注目されている存在です。

がんは、いきなり体内にポンと出現するわけではなく、発がん物質などの影響や、活性酸素によって細胞が酸化され、がん細胞が生み出されます。このがん細胞が次第に増殖してがんが発症するのです。

硫黄化合物は、このがんの発生を中途で食い止める二つの作用を持っています。一つは、発がん物質を無毒にする解毒酵素を活性化させる作用、もう一つは活性酸素を除去する抗酸化作用です。硫黄化合物は、この二つの作用で発がんにストップをかけてくれるのです。

(長ネギは風邪の引き始めによく効く)

長ネギは昔から風邪の妙薬としても知られています。これは長ネギの白い部分に、発汗・解熱・消炎作用があるためです。白い部分を細かく刻み、味噌や生姜と混ぜ、お湯を注いで飲むと、汗が出て熱が下がると言われています。青い部分もビタミンやカルシウムなどの栄養部分が多く、健康効果を考えたらどちらも残さず食べた方が効果的です。